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こんにちは、吹田市岸辺・健都の心療内科・精神科のむらかみクリニックのブログです。元ももいろクローバーZの有安杏果さんが精神科医と結婚を前提として交際中だというニュースがありました。それに対してネット上では「洗脳状態」「職業倫理違反」「タブー」などと圧倒的に否定的な意見が目立ちました(見えないところでは応援している人もいるとは思います)。世間的には精神科医と患者の交際というのは「タブー」のようです。このタブーを扱ったドラマが2015年の「ドクター倫太郎」で、脚本は中園ミホ、主演は堺雅人、相手役は蒼井優と名作になるはずでした。堺雅人演じる倫太郎は大学病院の精神科医、心理的側面(のみ)を重視し、治療を拒否する患者に対して追っかけて強引に面接することも厭わず、患者思いの医師。蒼井優演じる夢乃は新橋の芸者、倫太郎とは客と芸者という立場で出会いますが実は解離性同一性障害(多重人格)を患っています。悪役は精神科の主任教授で、この人は心の病の生物学的側面しか見ない、治療の場でも一切目を合わせずに脳画像のみを見て診察するという極端な描かれ方をしていました。毎回の患者役のゲスト、心の病の心理的側面と身体的側面という精神科の普遍のテーマを中心に据えた医療ドラマとして始まりました。個人的にはどのように大団円を迎えるのかを楽しみにしていました。ところが最終話の直前で(その前から伏線ははっていましたが)ドラマの主題が医療ドラマから倫太郎先生の恋愛へと移ってしまいます。ドラマのホームページのあらすじからの抜粋になりますが、医師としての一線を越えて倫太郎が夢乃を抱きしめる→倫太郎の自宅で夢乃と穏やかな時間を過ごす→夢乃の解離された人格が統合されたのではないかと感じる→倫太郎は夢乃のことが自分にとってなくてはならないものだと感じる、という流れです。ドラマが精神科医と患者の恋愛と肯定しているのか否定しているのかはっきりしないようなラスト。ドラマに対するネットの感想は否定的な意見が圧倒的。最終話だけでタブーの恋愛を描くことは時間が足らなかったということでしょうか。
もう一度見直したいのですが、今時点ではストリームングでも見られないようなのでこれを機に再放送を熱望しています。

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