こんにちは、吹田市岸辺・健都の心療内科・精神科のむらかみクリニックです。1月23日放送のラジオ番組「あっぱれやってまーす」にてお笑い芸人・ケンドーコバヤシさ、漫才コンビのダイアンさんの生放送中に「俺が頭で考えてること、勝手に盗聴してるな」と怒鳴る男が乱入してきた事件を語っていました。
乱入した男の訴えを精神医学の専門用語に当てはめると考想察知(自分の考えが他人に知られている)となりますが、「公共の電波を通して自分の考えが皆に伝わっている」ことや「テレビ画面を通しての妄想」というニュアンスが抜けてしまう気がします。
最近患者さんの訴えを専門用語に直すときに迷うことが増えています。
例えば「しんどい」という訴えに対して抑うつ気分なのか不安なのか倦怠感なのか迷って結局カルテに「しんどい」と書いたり、「パスワードが洩れている」「SNSで自分の悪口が書かれている」「インターネットで個人情報が洩れている」などの今の時代らしい訴えに対して、どれも現実にあり得ることなのでそもそも妄想と呼ぶべきなのか過剰に心配しているだけなのか、妄想の定義は何だろうかと疑問が湧いてきます。
精神疾患の症状について研究するのは精神病理学の役割ですが、その分野がこの40年ほど下火で患者さんの訴える症状の変化について行けていない気がします。
話がまとまらず、ラジオを聞いてて思っちゃったというだけの記事になってしまい申し訳ございません。

吹田市岸辺・健都の心療内科・精神科
むらかみクリニック